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なぜレガシーギフト(遺贈寄付)が必要?
動物福祉で必要なもの
レガシーとは、遺産や先人の遺物を意味します。そしてレガシーギフトとは、それを未来資産としていかすこと。
現在の日本の動物福祉を考えるときに足りていないものの筆頭は、資金です。たとえば、保健所から犬や猫をレスキューし、命をつなぐために必要とされるのは1頭で3~5万円程(医療費・食費・ペットシーツ代など)と言われています。日本でこういった保護活動を主に行っているのは民間ボランティアで、その活動費は寄付金によって支えられているのです。しかも、資金が潤沢という保護団体は少なく、動物福祉に関してはかなりの後進国といえます。
保護した動物を一時的に預かるシェルターを持ち、組織的に、永続的に活動できる基盤を持つ団体が育っていないのも、日本の動物福祉の課題です。その一方で、ペットブームの波に乗り、軽い気持ちでペットを購入し、持てあましてしまう飼い主も少なからずいます。このような現状の今、本当に必要なのは「動物に関する正しい知識を広めること」と、困っている動物や飼い主に手を差し伸べる行動を支える「資金」なのです。
日本の動物福祉の現状
現在の日本には動物愛護管理法が制定され、「動物は命あるもの(※)」として適正に取り扱うよう定められています。もっとも、動物保護に関する憲法や条例がきちんと整備されはじめたのは1950年の狂犬病予防法からで、さらに動物愛護に関する活動が活発になったのは戦後から。欧州においては、動物保護関連の活動は1800年代から活発に行われていたことを考えると、日本はかなり後発といえます。なお、1973年に動物愛護管理法が制定され、2000年には動物の取扱業が届出制となり、2012年には飼い主の責任を強化し、さらに2021年には飼養管理に対する数値基準が導入されるなど、法律面の改正は少しずつ進んでいます。さらに、行政と民間が一体となった活動のおかげで動物愛護の考えが前進し、殺処分数も劇的に減ってきてはいます。ペットを新しく家族に迎える選択肢として、保護犬・猫の譲渡会なども身近になってきました。このように日本の動物福祉は着実に前進しているため、より一層、加速したいところです。
今後は、保護活動は人道支援と同じく当たり前のこととして定着し、人と動物の真の共生への道を切り開くタイミングにきています。
各国の動物の定義
《日本》 「動物は命あるもの」
《ドイツ》「動物は物ではない」
《フランス》「動物は人間と同じく感覚ある存在」
《EU》「感受性のある生命存在」