STORY with Pet

Vol.4 HRビジネスパートナー株式会社 代表取締役 舞田竜宣さん

Vol.4 HRビジネスパートナー株式会社 代表取締役 舞田竜宣さん
STORY with Pet

「知ったからには、なんとかせねば。 ビジネスでも動物分野でも同じ気持ちです」

さまざまな分野の第一線で活躍する方へ
ペットとのスペシャルな関係をインタビューさせていただく
連載企画『しっぽの家族と暮らすワケ』。   

今回は、行動分析学を使ったマネジメントの第一人者である舞田氏にお話を伺いました。

舞田氏は、世界最大級の人事組織コンサルタントの日本代表を経て起業。

著名な人事組織・経営コンサルタントとして活躍中です。

ビジネスで成功された舞田氏だからこそ見えている『動物の問題』、今回のインタビューで語っていただきました。
(2014年6月取材)

  • 舞田竜宣Maita Tatsunobu / 1964年東京都生まれ1988年に東京大学を卒業。
    アーサーアンダーセンはじめ内外のプロフェッショナルファームで人事、組織、マーケティング、戦略 、財務、会計、ITの仕事に従事。
    2008年まで世界最大級の人事組織コンサルティング会社ヒューイット・アソシエイツ日本法人の代表取締役社長を務め、売上を2年で倍に、ブランド認知度は30倍にする記録を樹立。
    現在は自ら得意とする人事制度改革、組織行動マネジメント、教育活動を行う傍ら、四半世紀にわたる専門サービス業での事業経験を他の専門サービス会社のヘルプに生かしている。
    グロービス経営大学院 教授  多摩大学大学院 客員教授 

    著書

    • 「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」
    • 「18歳から読む就『勝』本」
    • 「行動分析学マネジメント」
    • 「社員が惚れる会社のつくり方」
    • 「24時間の使い方で人生が決まる」 他多数

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―なぜ、有料メルマガの購読料の一部を寄付にされたのでしょうか?

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「はい、現在私はフェレットと猫と暮らしています。多い時には、フェレット5匹と共に暮らしていました。

実は、残念なことにフェレットの寿命は6年位で割と短命なんですね。

そして、昨年の夏、寿命を迎えたフェレットが天に召されました。気持ちは家族を失くすことと全く同じです。

しっかりと供養をしたかったので、火葬をし御経をあげてもらいました。

その際にいらしてくださった京都の著名な御寺の住職様のお話で、始めて日本の殺処分の実情を知ったんです。

それは、もう愕然としました。

それまでも数年間、動物と暮らしてきましたが、殺処分という事実があることを全く知りませんでした。

これは何とかせねばならないと、まずは自分の発信している情報ルートを使って『なんとかしたい』という想いを伝えたんです。

そうしますと、私が教えている学生さんや、ビジネス関係の方から共感をいただき輪が広がってきました。

ですので、よりその輪を広げ日本の現状を変えていくために、今回の有料メルマガの一部を寄付させていただくことにしました。」

 

―日本の動物福祉について、どうお考えですか?

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「私自身は、『命は買うものではなく、授かるもの』だと思っています。人間でも動物でも一緒です。

ですが、日本では街を歩けば、ペットショップが普通にあり、人が群がっている。

テレビでは芸能人がペットの値段が高いと自慢している。

命の売り買いが当たり前の経済システムが出来上がっていることにとても大きな違和感を感じています。
 

ただ、だからと言って、現在の経済システムを即なくすことが解決につながるか、といえばそうではありません。

あくまでも『モノではなく命』ですから、最大限の配慮をしながら改革していくことが必要になるんです。

また、私自身がそうであったように、多くの方が動物と暮らしていても、殺処分に関しては『あまり知らない』ことが問題だと思います。

人間は知識を得なければ行動を変えていくことは不可能です。」

―人間の分野でも、ネットワークを活かした社会貢献をされているとか?

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「そうですね。私がスポンサーとなって『プロフェッショナル協会』という組織を立ち上げました。

この活動は、『みんなで生きる』をモットーに、様々な分野のプロ同士が、仕事の機会を提供し合い、お礼をし合う、唯一にして最大の異分野プロの互助ネットワークです。

根底にあるのは、日本の社会性を高めたい、ということです。

これまで、ビジネスを通して様々国の方とも関わりを持ってきました。

宗教、文化、歴史、税制の問題等、多々違いはありますが、たとえば海外であれば成功者は当たり前のように多額の寄付をする、それは自分だけが幸せを得ればいいという考えよりも社会全体として幸せを享受し合うもの、という根底の考えが違うからそういった行為をするんですね。

決して売名行為ではありません。みんなで社会的弱者を支え合うものなんです。

ところが、日本では自己利益中心主義でうまくいかなければ行政を責める、という構図ができあがっているように感じます。

これでは理想の社会になりません。

それで、この協会を立ち上げ、弁護士、税理士、社労士、コンサルタント、ヘッドハンター、ファイナンシャルプランナーなどのビジネスサービス提供者(プロフェッショナル)を繋ぐ協会を運営しています。」

 

―アニドネの活動に関してはどう思われますか?

「はい、私が教授を務めるグロービス経営大学院の事務局の方の紹介で、動物に特化している寄付サイトがあることを知りました。

拝見させていただき、かなりの寄付が動いているな、これは信頼できるWEBサイトである、という印象を持ちました。

あとは、掲載されている記事や情報から誠実さや真面目さも感じました。

ミッションに掲げられている日本の動物福祉の改革を期待していますが、それ以外には日本の寄付文化を変えていただくことですね。

ドネーションはグレーの部分が多すぎる。アニドネさんのように、寄付額を明示しているのはすばらしいと思いますね。」

取材後記

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取材前に舞田氏の著書を2冊拝読してから伺いました。正直、ビジネスで成功された方が、なぜ今動物のために寄付を始めたのか、お会いするまで不思議でなりませんでした。

ですが、お会いしますと、大変に視点が高い方ですべてを俯瞰した上で行動をされていることが判りました。

その一環が動物のことだっただけで、舞田氏の視線の先にはもっともっと広い世界や大袈裟にいえば日本全体の改革が感じられました。

私たちは大変共鳴を受けました。

インタビューの端々で、「動物のことはどうしていいか判らない、常に考えている」とおっしゃっておられました。明確な解決策はないかもしれません。

ですが、舞田氏のような影響力を持つ方が行動をされていることが何より嬉しく感じました。

最後に「アニドネさんに対して、私ができることはありますか?」とお聞きくださいました。

図々しくもお伝えしたのは「日本のボランティアの行動分析を享受してほしい」でした。

動物福祉向上のために、日本のボランティアがより増えて大きく活動していける組織を作れないかとアニドネスタッフは常に悩んでいます。

舞田先生という、心強い味方を得たすばらしいインタビューでした。

 

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3歳の風香(ふうか)ちゃん。捨て子猫から舞田さんのご家庭に。とにかく甘えん坊で、奥様がお風呂に入って姿が見えなくなると、鳴きながら浴室の前で待っているとか。フェレットとの追っかけっこが大好き!


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白いフェレットのマーブル。5歳の男の子。飼えなくなった飼い主さんから引き取られたとか。聞き分けのよい良い子だそうです。

 

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舞田さんの膝の上で甘えるココちゃん。4歳の女の子。マーブルの兄妹で、一緒にやってきました。クークー鳴きながら遊ぶのが好きなフェレット。