Vol.1 株式会社サイバーエージェント 代表取締役 藤田晋さん
「犬たちの存在? 仕事へ大きく影響していますよ」
ペットとのスペシャルな関係をインタビューさせてもらう『しっぽの家族と暮らすワケ』という新連載をスタートすることになりました。
第1回目は、株式会社サイバーエージェント代表取締役 藤田晋氏。
今や日本を代表する起業家の藤田氏。
メディアでの印象はクールな起業家というイメージですが、 アニドネのインタビューでは、目じりが下がりっぱなしの愛犬自慢を披露してくださいました。
意外だったのは『孤独感との戦い』を愛犬がサポートしていること。
藤田氏がこれほどまでに仕事に邁進できるパワーの源が愛犬にもあることを 感じさせるインタビューとなりました。
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藤田晋 Susumu Fujita / 1973 年生まれ
株式会社サイバーエージェント代表取締役。
1997 年青山学院大学卒業後、人材会社の株式会社インテリジェンスに入社。
翌98 年に株式会社サイバーエージェントを設立、代表取締役に就任。
2000 年に史上最年少(当時)26 歳で東証マザーズ上場。著書
- 「渋谷ではたらく社長の告白」
- 「藤田晋の成長論」
- 「起業家」
共著
- 「憂鬱でなければ、仕事じゃない」
- 「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」
―まず、犬と暮らすことになったきっかけを教えてください。
「はい。うちの奥さんが『犬と一緒に暮らしたい』と言い始め、共に暮らすきっかけを作ってくれました。
最初に迎えたのがチル(CHILL)ちゃん。
その後、2 年ほどたって、ピカ(PICA) ちゃんが家族になりました。
いずれも、トイプードルの女の子です。
二匹の相性はよく判りませんが、チルちゃんは活発、ピカちゃんはどちらかというと臆病で、性格はまったく違いますね。
多頭飼いをしたのは、僕としては大正解で、チルピカのコミュニケーションを見ているだけでも、こちらが癒されています。
僕はヒップホップが好きなのですが、CHILL はヒップホップ用語で、(くつろぐ)という意味でそこから名づけました。
ピカは最初、ビガ(Big up!) ヒップホップ用語で『ありがとう!』『よろしくね!』といった意味からビガ(BIGGA) にしようと思っていたのですが、音読してみたらなんだか似合わなかったので、ピカ(PICA) にした次第です。」
―ペットの存在は仕事へ影響していますか?
「はい、それは大きいですよ。
こういった仕事をしていると会食やパーティ、華やかな場に身を置くことが多々あります。
ちやほやされればされるほど、孤独感が増すんです。
意外だと思われるかもしれませんが、、、。
そんなとき、なんの邪念もなく僕の帰りを待ってくれている愛犬には本当に救われているんですよ。
僕の社長仲間の同じような起業家が言っていましたが、仕事とプライベートの境目が不明瞭で自宅に帰ってもずっとオンな状態で休まるときがないと。。。
ですが、僕は家に帰ると愛犬が駆け寄ってくれる、どんなに遅い時間であろう大喜びしてくれるんですよね。
喜びすぎてこけたりする姿を見ると、一気にほっとします。
張りつめた日常と愛犬の待つホーム、その両方が僕には必要だと感じています。
愛犬は純粋な仲間、ですね。
僕の周りの、ちょっと強面の仕事に没頭している社長達が、トイプードルにはまっていることが多くて。
みんな同じ理由だと思うのですが、ヤバイくらいかわいいと思っています。
愛犬の話をするときは、まるで別人ですよ」
―なるほど。そのような愛犬マインドから『パシャっとmy ペット』は生まれたんですか?
そうですね。起案したのは社員ですが、僕も総合プロデューサーとして参加しています。
『パシャっとmy ペット』は、自分のペットの写真を撮って投稿できるアプリでして2012 年8 月にリリースしました。
http://petpic.jp/
現在13万人の会員がいて、月間で1億ページビューのスマホコミュニティです。
サイバーエージェントでは、さまざまな領域でスマホ向けのサービスを展開していますが、ペット領域では少し独特のものを感じています。
他の領域と比べて、ヘビーユーザーが多くアクション数が多い。
これはペットという存在が、飼い主さんにとっていかに大きいか、を感じさせます。
僕自身、トイプードルのコミュニティに参加しています。」
―アニドネの活動に関してはどう思われますか?
「実は、僕自身は犬と暮らしていても、日本がこんなに動物福祉の面で遅れていることは知りませんでした。
今回、アニマル・ドネーションさんから取材の話をいただき、現状のご説明をうけて、初めて殺処分数の多さを知りました。
これは衝撃でした。
想像しただけでも心が痛みます。
日本がこれだけの先進国でありながら、成熟した社会になりきれていない部分を感じました。
動物へ優しくなれるというか配慮している構造を持つことは、社会が成熟している証のひとつだと思うんですよね。
今後改善していくために、アニドネさんのような存在が必要だと感じました。
また、アニドネさんは寄付サイトなので、少し目的は異なっているかもしれませんが、当社では資金調達サービスに注目し、関連会社で『MAKUAKE』というクラウドファウンディングサービスをカットオーバーしました。
これは、なにか成し遂げたい人が資金調達面で諦めざる得ないような状況を解決できるサービスです。
熱い情熱、面白い技術、アイデアを持った人たちの背中を押してあげられるようになりたいと考えています。
ですので、アニドネさんのように寄付をすることで頑張る人を支援できる仕組みというのは、日本で今後より必要とされるサービスだと考えています。
動物たちのためにがんばってください!」
取材後記
超多忙を極める中、アニドネの取材を受けてくださって本当に感謝しております。
25 歳で企業し、26 歳で株式会社サイバーエージェントを上場、 2013 年度の決算では、売上高 1624 億円、営業利益 103 億円と発表されています。
今や日本を代表する企業を作り上げた藤田氏。
さらなる目標は『21 世紀を代表する会社を創る』と公言。
藤田氏の最新の著書『起業家』にはこんな文面がありました。
何のために、こんなにも我慢を重ね、
孤独に耐え、それでも前に進もうとしているのか、 自分でも時折判らなくなる時もあります。華やかに見えても、現実の日々は我慢と忍耐の連続でした。
かつての同世代の起業家のほとんどは表舞台から姿を消しました。
成功を重ねるたびに孤独の度合いは増していきます。
それでも、なぜ前に進もうとしているのか――。
「それをはるかに上回る希望があるから」
起業家の人生は、その言葉に尽きるのかも知れません。
藤田氏ほどの成功者でも、また成功しているからこそ 『孤独感』との戦いであり、それを埋めるのが愛犬。
単純にかわいいだけのペットではなく、パートナーとして素晴らしい関係をきづいていると感じました。
これからも、ますます輝き続ける藤田氏を、無邪気に応援する愛犬達なのでしょう。
また、取材日は第一子となる大門くんが生まれたばかり。
こちらも「かわいすぎてやばい」と何度もつぶやいておられました。
愛犬達はお子様に対しては、いまのところ様子見のようですが、今後は赤ちゃん&ペットという最強のかわいいものに囲まれた生活となるのでしょう。
その生活が、ますますの企業の発展、そして日本の経済の発展を支えてくれることになると感じました。
犬のチカラって本当に大きいですよね。
大門くんと愛犬たち。
お目目のぱっちりした大門くんはお父さんによく似ていると思いました!
右がチルちゃん、左がピカちゃん。
「なぜトイプードルなんですか?」という質問には「だって一番かわいいじゃないですか」と断言(笑)。
仲良し3人(匹?)お揃いです。
藤田氏のブログには、こういったオフショットが紹介されていて、相当な愛犬家っぷりがうかがえます。